アロマテラピーの楽しみ方といえば、お風呂に入れてリラックスする、というのを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。ゆっくりと体を温めるアロマバスは体と心を回復させてくれる手軽な方法のひとつです。ここでは、アロマバスの種類と正しいやり方、おすめの香りをご紹介します。
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簡単なアロマテラピー(アロマバス)の楽しみ方
全身浴
浴槽の湯に精油を落とし、よくかき混ぜてから肩まで湯につかります。肌から取り込まれた有効成分が血流に乗って全身に行き渡ります。精油の量は5〜6滴までが適量です。リラックスしたいときは38度くらいのぬるめの湯に長めに入り、リフレッシュしたいとき、元気になりたいときは40〜42度くらいの熱めのお湯がおすすめです。精油は湯に溶けないため、天然塩やキャリアオイルに混ぜ、肌への刺激を少なくしましょう。
半身浴
浴槽の湯に、みぞおちくらいまでつかるのが半身浴です。全身浴に比べて下半身だけに水圧がかかるので心臓への負担が少なく、のぼせずに、ゆっくりと長時間つかることができます。全身の末端まで血行促進されるので、冷え性の改善、デトックスやダイエット、汗をたっぷりかきたいときもおいすすめです。使う精油の量は3〜4滴まで。お湯はぬるめで、20〜30分リラックスしながらつかりましょう。上半身が冷えるので、肩にタオルをかけるなどの冷え防止対策をするとよいです。
足浴(フットバス)
深めの洗面器やたらい、バケツなどに、両足のくるぶしがつかる程度の湯をはり、1〜3滴の精油を入れ、10〜20分足をつける方法です。お湯の入ったやかんやポットを近くに置いておき、足元のお湯が冷めてきたら一度足を外に出し、足し湯をしていくと長く楽しめます。足を温めることで全身の血行がよくなるので、冷え性や生理痛、足のむくみにおすすめです。バスタオルなどを膝にかけて足元を覆うと、さらに温かく、お湯も冷めにくいです。
手浴(ハンドバス)・ひじ浴
深めの洗面器やたらいにぬるめのお湯をはり、精油1〜3滴を入れて手首までを浸します。上半身があたたまるので、冷え性のほか、肩こり、頭痛、手荒れなどの暖和におすすめです。肩こり、頭痛には両ひじを湯に浸す、ひじ浴もよいです。
座浴
深めのたらいにぬるめのお湯をはり、精油1〜3滴を入れてお尻をひたす方法です。腰まわりをあたためるだけでなく、痔やガンジダ症などデリケートな部分のトラブルを改善したいときにおすすめです。生理痛、便秘などの予防にも役立ちます。
入浴剤におすすめの材料
アロマバスをするときは、お湯に精油を直接入れてもよいですが、精油はもともと水には混ざりません。そのため、以下のような材料で入浴剤をつくると精油がお湯に馴染みやすくなります。同時に発汗作用や保湿効果も高まります。
以下の分量は全身浴を基準にしています。半身浴のときは半量、部分浴のときはさらに半量と適宜調整してください。ただ、精油の分量さえ間違わなければ、材料がすこし多い・少ないぶんには問題ありません。
天然塩(バスソルト)
大さじ2杯の天然塩に精油1〜6滴を良く混ぜます。食用の塩でも構いませんが、ミネラル分が少ないため、できればミネラル分の入った天然塩を使用します。ミネラル分は水道水の塩素を中和し、血行促進して発汗を促し、肌を保湿する作用があります。アロマショップなどで市販されている死海の塩はとくにミネラル分が豊富なのでおすすめです。
バスオイル
キャリアオイル(植物油)5〜15mlに精油1〜6滴を混ぜます。ホホバオイルなど保湿効果の高いキャリアオイルを使うと肌がしっとりします。アロマテラピー用のバスオイルも市販されているので、そちらを用いてもよいです。
はちみつ
はちみつ大さじ1〜2杯に精油1〜6滴をよく混ぜます。はちみつにも保湿効果があるため、肌がしっとりします。ほんのりと甘い香りも楽しめます。
牛乳・生クリーム
牛乳30mlまたは生クリーム15mlに精油を1〜6滴垂らしてよく混ぜます。手軽なミルク風呂が楽しめます(乳製品アレルギーの方は控えてください)。牛乳よりも生クリームのほうが油分が多いため、精油が馴染みやすいです。ちょっとリッチな感じも味わえますね。
アロマバスにおすすめのブレンド
アロマバスは選んだ精油によっては、リラックスだけでなく更年期や風邪気味などの不調を整える効果も期待できます。効果別におすすめの精油をご紹介します。
リラックス、安眠したいとき
イランイラン、ラベンダー、スイート・オレンジ、ローマンカモミール、ベルガモット
どの精油同士も相性がよいです。リラックス効果を高めるためにも、自分が好きな香りをじっくりと選びましょう。イランイランは量が多いと頭痛を起こすこともあるため、頭痛のある方は使用量を少なめにします。
気分の落ち込みに
イランイラン、ベルガモット、ゼラニウム、マジョラム、ローズ、ネロリ、ジャスミン、レモン
不安を和らげ、気持ちのバランスを整えます。ローズやネロリ、ジャスミンはとくに傷ついた心を癒やしてくれます。レモンは気分を明るくすっきりとさせてくれるだけでなく、濃厚な香りとブレンドすると、香りがさっぱりとして使いやすいです。
イライラしているとき
バジル、ゼラニウム、ベルガモット、マジョラム、ラベンダー、レモン
バジル、ゼラニウム、ベルガモット、マジョラムは気分の浮き沈みを和らげ、気持ちのバランスを整えます。ラベンダーは興奮した気持ちを落ち着かせてくれます。バジル、ゼラニウムは少し香りが強いので、それ以外の精油と合わせると使いやすいです。
PMS・更年期障害による不調、イライラに
イランイランは抗不安作用があり、気持ちを穏やかにします。クラリセージやサイプレス、ゼラニウムはホルモンバランスを整えるため、女性特有の症状におすすめです。ネロリは緊張やイライラを深く癒やしてくれます。
肩こり・腰痛、むくみ、血行促進したいとき
血行を良くし、体を温め循環を促進する作用のある精油です。とくにローズマリーを用いるとお風呂から上がったあとでも体がぽかぽかすると思います。体がだるいとき、足がむくんでいるときにもおすすめです。天然塩を入浴剤にすれば発汗作用でさらに効果が高まります。足浴などの部分浴にもおすすめです。
風邪ぎみのとき
ティーツリー、ユーカリ、レモン、スイート・オレンジ、ローズマリー、ラベンダー
どれも殺菌作用の強い精油です。とくにティーツリー、ユーカリ、ラベンダーは殺菌力が高いだけでなく、免疫を調整して風邪に対する抵抗力をつけます。レモン、オレンジ、ローズマリーと合わせると体も温めてくれるのでおすすめです。ただしティーツリー、ユーカリは人によっては皮膚刺激があるので、肌が敏感な方は控えめにします。風邪ぎみだと思ったら早めにケアしましょう。
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アロマバスの注意点
肌に精油が触れる可能性のあるアロマバスには、いくつか注意点があります。以下の点に注意して、安全にアロマバスを楽しみましょう。
精油の量を守る
精油の量は基本的には、全身浴には6滴まで、半身浴、部分浴は3〜4滴までが目安です。多く入れすぎると皮膚に刺激がある可能性があります。ラベンダーなど刺激の少ない精油もありますが、多くても10滴以下にします(全身浴の場合)。
刺激の強い精油はNG
*アロマバス不可の精油
以下の精油は刺激が強いため、アロマバスには向きません。
シナモン、クローブ、ブラックペッパー、フェンネル、タイム
*やや刺激のある精油
以下の精油もやや刺激があります。肌が敏感な方は控えめにするとよいでしょう。
ジンジャー、レモングラス、ペパーミント、ユーカリ、ティーツリー
*光毒性のある精油
以下の精油は光毒性(肌についた後直射日光にあたるとシミになる)があります。夜の使用は問題ないですが、出かける前や朝風呂には使用しないようにしましょう。
3歳以下の乳児はNG
精油が肌につく可能性があるため、3歳以下の乳児にはアロマバスをしないようにします。子供や高齢者が入浴する場合は、精油の量を半量以下にしてください。
まとめ
アロマバスの楽しみ方、いかがでしたか?忙しくてなかなか湯船にゆっくりとつからない、という方も多いかもしれません。けれど体や心が疲れたときは、たまにはゆっくりとお風呂に入り、アロマの力を借りてしっかりケアしてください。体力がないとき、時間がないときは、気軽にできる足浴、手浴を10分するだけでも違いますよ。入浴剤は、牛乳やはちみつなど家にある材料で気軽に作れますので、ぜひお気に入りのレシピを見つけてみてください。
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