ハーブティーでもおなじみの、りんごのような優しい香りが特徴のカモミール。
ローマン・カモミールとジャーマン・カモミールがあり、それぞれ作用と成分が少し違っています。
ローマン・カモミールは作用が穏やかなため子供にも使用できる精油として、欧米では民間の治療薬として用いられています。
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Contents
カモミールとは?
植物を癒やす「大地のりんご」
カモミールはギリシャ語で「chamaimelon」(大地のりんご)という意味の言葉に由来します。その名の通り、りんごを思わせる甘い香りが特徴です。白く可憐な花を咲かせます。
日本ではカミツレと呼ばれ、一緒に植えた植物の病気を癒やすことから「植物のお医者さん」と言われてきました。消化を促進するハーブティーとしても親しまれています。
ジャーマン・カモミールとローマン・カモミール
ジャーマン・カモミールは1年草で60cmほどの高さに育ちます。エッセンシャルオイルはカマズレンという成分で深い藍色をしています。このカマズレンは抗炎症、抗アレルギー作用にすぐれており、皮膚炎などの局部使用にとくに適しています。また髪を明るく輝かせ、美しくする働きがあることから、シャンプーの成分としても利用されています。
ローマン・カモミールは背の低い匍匐性の多年草で、踏むとよい香りがすることから芝生の代わりに植えられることもあります。エステル類を豊富に含み、鎮静作用、抗炎症作用、鎮痙作用に優れた効果を発揮します。また、1%以下に希釈すれば乳幼児にも使用することができます。子供の寝付き、かんしゃくなどを抑える働きをします。
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カモミールの効果・効能は?子供へ使えるものは?
カモミールの効果・効能
【心への働き】
・安らぎを与え、心地よい眠りへ導く
【体への働き】
(ジャーマン・カモミール)
・関節の痛みをやわらげる
・更年期障害の症状を改善する
(ローマン・カモミール)
・頭痛、歯痛、生理痛、関節痛をやわらげる
・消化不良や膨満感、便秘を改善する
【皮膚への働き】
(ジャーマン・カモミール)
・切り傷の治癒を促進し、虫刺されの炎症を抑える
・肌荒れの症状を改善する
(ローマン・カモミール)
・肌荒れ、乾燥肌、ニキビ肌の症状を改善する
注意点・子供への使用
ブタクサのアレルギーがある方は念のためパッチテストをしてください。
ローマン・カモミールは1%以下に希釈すれば乳幼児にも使用ができます。
原液使用について
かなり濃厚な香りがあるため、希釈しての使用をおすすめします。
カモミールの学名・成分・主な作用は?
学名・産地・採油方法
学名
Matricaria recutita, Matricaria chamomilla(ジャーマンカモミール)
Anthemis nobilis, Chamaemelum nobile(ローマンカモミール)
科名 キク科
おもな産地
ドイツ、エジプト、スロヴァニア(ジャーマンカモミール)
ドイツ、フランス、イギリス、ハンガリー(ローマンカモミール)
採油方法
花の水蒸気蒸留法
主な作用
血圧降下作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、鎮痙作用、鎮静作用、鎮痛作用、
主な成分
<ジャーマンカモミール>
ビサボロールオキシドA、B、ビサボレンオキシド、β-ファルネセン、カマズレン、ビサボレン、α-ビサボロール、スパツレノール、ファルネソール
<ローマンカモミール>
アンゲリカ酸やチグリン酸のエステル、ピノカルボン、α-ピネン、サビネン、カンフェン、リモネン、カマズレン、カリオフィレン、コパエン、カジネン
香りの特徴
やや強めの甘いりんごを思わせるような香り
相性のいい精油
シトラス系
オレンジ、グレープフルーツ、ベルガモット、マンダリン、メリッサ、レモン
ハーブ系
クラリセージ、バジル、パルマローザ、ローズマリー
樹木・樹脂系
サンダルウッド、シダー、プチグレン、フランキンセンス、ベンゾイン
カモミールオイルのおすすめの使い方
デリケートゾーンのかゆみに
*ローマン・カモミール&ラベンダー
キャリアオイル10mlにローマン・カモミール、ラベンダー各1滴を加え、デリケートゾーンに塗ります。ローマン・カモミール、ラベンダーともに鎮静作用があるため、炎症をしずめます。男性、女性ともに使う事ができます。
アトピー性皮膚炎のケア
*ローマン・カモミール
キャリアオイル10mlにローマン・カモミール2滴を混ぜたものを塗布します。乳幼児のおむつかぶれのケアにも使用することができます。
子供の寝付き、癇癪に
*ローマン・カモミール&スイート・オレンジ
ローマン・カモミール1滴とスイート・オレンジ2滴をディフューザーなどで子供部屋に香らせます。ローマン・カモミールは鎮静効果にすぐれており、オレンジとブレンドすると子供が好むやさしい甘い香りになります。子供への使用の場合は、火を使うアロマランプや、やけどの危険のあるマグカップでの吸入はしないでください。熱い蒸気のでないタイプの電気ディフューザーがベストです。
メーカーによる価格比較
手に入りやすいもの
百貨店やネットで手に入りやすく、少量ずつ売られているため、初心者にもおすすめです。以下のメーカーではオーガニックではないものを取り扱っているところもありますが、当サイトでは体への作用、影響をふまえて、値段はやや上がりますがオーガニックのものを強くおすすめします。
※カミールの精油は希少なため、とても高価です。通常より少量で販売されていることがほとんどです。
メディカルグレードのもの
ヨーロッパの医療現場などで実際に使われている高品質のものです。カモミールの場合はとくに高価になるため、こだわりたい方向けです。
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